ネットワークエンジニアとして働こうとしている方、または現在働いているが年数が浅い方で資格取得を目指している方は多いことでしょう。
ネットワーク初期段階の資格として有名なものにCCNA(Cisco Certified Network Associate)があります。
このCCNAは2020年2月28日に改定され、旧試験とは異なる対策が必要です。
「どうやって勉強すればいいの?」
そういう疑問が浮かんでくることでしょう。
私は今年の2020年1月よりネットワークエンジニアになったばかりで、今年2020年の4月からCCNAの勉強を始め、7月末に試験に合格しました。
実務未経験の私が合格した勉強方法を紹介します!
勉強時間の目安についてはこちらのページ
新CCNA(200-301)の勉強方法(エンジニア未経験者or初心者向け)
私のスペック
まずはCCNA取得前の私のスペックを紹介します。
- 実務未経験
- 所持資格:LPIC Level.1,CompTIA Network+
現在常駐先でしている仕事はネットワークの知識をほぼ使っていません。
またCompTIA Network+で得た知識はCCNAではほとんど生かせません。
(生かしたとしても10%くらい?)
というわけで、無知識・未経験者レベルです。
勉強方法の手段
CCNAの勉強手段としては4つが挙げられます。
- 学習サイト:Ping-T
- 書籍:『CCNA 完全合格テキスト&問題集』
- エミュレータ
- 実機
詳細は後述しますが私は1と2がオススメです。
学習サイト
未経験者や初心者が学ぶのに最も適しているものは学習サイトです。
代表的なものは次の通りです。
- 【Web問題集】Ping-T(2020年3月31日より新試験対応)
- 【Web教科書】CCNAイージス(2020年8月1日より新試験対応)
- 【Web問題集】Cram Media(不明)
私も、まずは学習サイトを使いました。
勉強の9割はPing-Tです(残り1割は書籍)。
このPing-Tは後述する書籍よりもメインで勉強することをオススメします。
Ping-Tをオススメする理由
Ping-Tが書籍よりも優れている点は
- 解説がわかりやすい
- 要点が体系立てて絞られている
- 豊富な問題演習ができる
ということです。
やはり一番の理由は問題演習がたくさんできることです。
資格試験に合格するためには、問題演習を反復することが必要です。
試験に十分対応できる量をPing-Tは用意しています。
人によっては多すぎるよ…と思う方もいるでしょう。
確かに時間がない場合は全部の問題を扱うのは厳しいです。
そんな方には☆マークがついている問題だけを解きましょう。
最低限、押さえてほしい問題をPing-T側で厳選し、☆マークをつけています。
それを解いていけばいいのです。
Ping-Tの唯一のデメリット
唯一のデメリットは
「Web最強問題集」を全分野利用したいならば、課金が必要
ということです。
CCNAの分野のうち
2.Cisco機器基礎
3.スイッチング
は無料で学習できますが
5.WAN
6.インフラストラクチャサービス
7.インフラストラクチャの運用
8.セキュリティ
はプレミアム(=有料)コンテンツとなっています。
気になる料金は次の通り
2ヶ月:3,200円(税込み)
3ヶ月:3,800円(税込み)
6ヶ月:4,800円(税込み)
12ヶ月:6,800円(税込み)
24ヶ月:9,800円(税込み)
36ヶ月:12,800円(税込み)
利用する期間が長いほど、1か月あたりの料金は安くなる計算です。
また、上記の料金を支払うとCCNAだけでなく、すべてのプレミアムコンテンツを利用することができます。これはお得です。
期間を決めて集中的に学習するもよし、じっくり学習するもよし。
お金を支払うことに抵抗がある方もいるかもしれませんが、1円も払わずに試験に合格するのは正直、厳しいと思います。
後に紹介する書籍だけでもいいとは思いますが、勉強した知識は今後使うものですし、自分のために投資しておくことをおすすめします。
Ping-Tを利用するためには
会員登録が必要です。もちろん登録したからといって大量にメールがくるなど迷惑なことはありません。
登録費用も無料。
登録すれば、CCNAに限らず、様々なIT資格も勉強することができます。
安心して利用しましょう。
書籍
現行で、新試験に日本語対応している書籍はこちらです。
『CCNA 完全合格テキスト&問題集』
なお、英語版の解説書『公式ガイドブック』がありますが、すべて英語で書かれています。
英語をすらすらと読める人でない限り、購入しなくてもいいでしょう。
『CCNA 完全合格テキスト&問題集』
この書籍が優れている点は
- 学習サイトよりも詳細な解説
- 付属の模擬試験が有効
この2つの点から、私は勉強の最初の段階ではなく仕上げの段階で使うべきだと考えています。
詳細な解説
確かに解説はとても詳しいのですが、辞書並みなので注意が必要です。
この辞書のような膨大な量を暗記しようと考えないように。
受験のときに、たまにいませんでした?
- 辞典に載っている単語
- 文法解説書
を全部覚えようとしている人。
断言します。全部覚えるのは無理ですし、仮に覚えても、試験に出題されるのは、そのうちのわずかなところです。
そんなことに使う時間あったら、問題演習しましょう。
どうしてもわからないところがあるときに引く程度に留めておく方がいいです。
付属の模擬試験
実はこの模擬試験と似たような問題が数問出ました。
私はLPICの受験のときも、参考書に載っていた模擬試験が試験に出た記憶があります。
この現象はIT系だけに当てはまるのかどうかは不明ですが、解いたことのある問題が出題されたら、絶対に外したくないところですね!
とはいえ、模擬試験だけで資格試験に合格できるわけではありません。
この模擬試験の丁寧な解説も読み、しっかりと自分のものにしましょう。
エミュレータ
エミュレータとはコンピュータや機械の模倣装置あるいは模倣ソフトウェアです。
実機がなくても、コンピュータ上で装置のシミュレーションができるのです。
有名なものはこちら
実機は中古品でも高価なものが多いですから、購入するとなると出費が大変です。
パケットトレーサなら無料で実機と同じ操作をすることができます。
実機
実際のCisco機器を用いて、ルータやスイッチの設定をすることで、コマンド操作を覚えることができます。
私の勉強手段
さて、いろいろと紹介しましたが、全部する必要があるのか?
答はNOです。
私は
- 学習サイト:Ping-T
- 書籍:『CCNA 完全合格テキスト&問題集』
のみで合格しました。
エミュレータと実機については資格試験の合格という観点からみると不要と考えます。
その理由は2つです。
- 資格試験に必要な知識を網羅できるわけではない。
- シミュレーション問題が出題されなくなった
旧試験では出題されていたシミュレーション問題(簡単にいえば、ネットワークが正常に動作するように正しい設定を自分でしていく問題)が、新試験になってからは出題されていません。
また出題される可能性はありますが…
新試験で出題されるコマンドの問題は限られています。
コマンド操作は確かにエミュレータや実機で自分の手で動かして操作できます。
しかし、それ以外にも必要な知識は結局勉強する必要がある。二度手間なのです。
資格試験という箱庭の世界では、いかに無駄を省いて合格できるかが求められるものです。
勉強だけで合格できるのが事実です。
エミュレータや実機は合格してから触ればいいのです。
(取得後はもちろんエミュレータや実機操作は必要と考えています)
具体的な学習方法
Ping-T
先ほど私が紹介した学習サイトPing-Tと『CCNA 完全合格テキスト&問題集』を用いた勉強方法を紹介します。
まずはPing-Tから!
①「最強WEB問題集 CCNA (200-301)」の分野別モードを一から順番に学習
まずは「最強WEB問題集 CCNA (200-301)」の分野別モードを一から順番に学習します。
1日30問ほど勉強していました。
いきなり問題を解いてもわからないし、間違えることがわかっていたので、潔く答をみて、解説を読み、知識を蓄えるようにしました。
次解くときに正解できれば問題ありません☆
注意点は理解については完璧主義にならないことを意識していました。
ここも勉強のコツですが、1つのことを1回で完璧にするのではなく、回数を重ねることで理解する方が時間は短縮できます。
すべてが初めて学ぶことだったので、理解は早くないものの、ある程度理解したら、次へ進むようにしていました。
一つ一つ完璧にわかろうとすると、非常に時間がかかり、もったいない。
また知識は他の分野でも再度登場するものが多く、後になって理解できることがあります。
なので、最初は60%くらいの理解で進めていましたが、特に問題ありません。
②復習方法
↓
翌朝に再度問題を解く&間違えたら知識の確認
↓
3日後に同じ問題を解く&間違えたら知識の確認
↓
間違えた問題を日をあけて解きなおす
この繰り返しです。
まずはこの①、②の方法で全分野を学習しましょう。
③模擬試験モードで知識の総確認
全分野を一通り学習したら、「最強WEB問題集 CCNA (200-301)」の模擬試験モードで全体の知識を確認していきます。
模擬試験は120分で102問を解答します。
問われた知識を覚えているかどうかも大切ですが、時間管理も重要です。
解答したら後戻りすることはできませんが、1つの問題でいつまでも悩んでいないで、潔く次の問題へ進みましょう!
時間切れで本来解答できるはずの問題も解答できないとなると悔しいです!
間違えた問題や正解したけど、自信がなかった問題は、しっかりと復習します。
参考までに、私はこの模擬試験で間違えたリストを作って、自分に足りない知識を書き足していきました。
模擬試験の正解率を95%にしておきたいところです。
90%だとちょっと危ないです。
正解率95%以上を安定できるようになったら、Ping-Tの学習は終了です!
書籍『CCNA 完全合格テキスト&問題集』
Ping-Tの模擬試験の正解率を95%以上安定できるようになったら、Ping-Tの学習は終了です!
書籍の方へ移りましょう!
④書籍の模擬試験を解く
仕上げの段階として、書籍『CCNA 完全合格テキスト&問題集』の模擬試験を解きます。
書籍の最後にある模擬試験だけでなく、読者特典としてPDFファイル形式でも模擬試験があります。ファイルのURLは書籍に記載されています。
なぜか書籍会社の会員登録をする必要がありますが、無料なので登録して模擬試験データをGETしましょう!
このPDFの模擬試験から似たような問題が数問出たのでやる価値は高いです!
本番の試験のように時間を意識して問題を解きましょう。
間違えた問題は要復習!
これも何回か解いて90%以上正解できるようにしていました。
このあたりで私は試験を受けました。
(番外編)実際の試験では?
Ping-Tと同じ問題が出たのはほんの数問で、正直、自信はありませんでした。
歯がゆい気持ちで試験を受けた記憶があります。
本当に合格したの?と思うくらいです。
あと、もとの問題が英語でそれを日本語訳にしたせいか、問題文や選択肢の日本語がおかしいです。
「それ、日本語にしなくていいでしょ…」と思うもので覚えているものをいくつか…
A.サービスとしてのプラットフォーム
B.サービスとしてのソフトウェア
C.サービスとしてのインフラストラクチャ
正解:C
クラウドサービスの単元で学ぶSaaSや、PaaS、IaaSのことです。
これは各用語の正式名称がわかれば、問題ないと思います。
指定されたルーターが適切なモードであることを確認するのはどの状態ですか?
A.初期化
B.双方向
C.交換
D.フル
正解:D
ルーティングの単元で、OSPFを起動したルータが隣接関係を確立して、コンバージェンスするまでのステートの流れの知識です。
「DOWN→INIT→2WAY→EXSTART→EXCHANGE→LOADING→FULL」
をそれぞれ日本語に訳したらこうなるんでしょうが、日本語に訳さなくていいでしょ…
Ping-Tでも書籍でも英語で出てくる用語だし…
といったように、英語で覚えるところを日本語で出題してきたりするのが個人的にはいやでしたね。
このあたりは改善してほしいです…
まとめ
以上、新CCNAの独学での勉強方法を紹介しました。
勉強方法はいたってシンプルですが、範囲が広いため、根気強さが必要です。
合格できたら、自信を持ってください!
次なるステップへ一緒に行きましょう!