塾講師が教える模擬授業対策~基本を忠実に~

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模擬授業は教員・塾講師・予備校の採用試験や研修で行われます。

「採用試験で模擬授業があるけど、不安…」
「どう対策したらいいのかわからない!」

と模擬授業で悩む方は多いです。

毎日授業をしている私も、過去に教員採用試験や塾講師の採用試験で模擬授業をやってきました。
これまでの経験上、重要だと思うことを交えながら紹介します。

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模擬授業とは

読んで字の如く実際の授業と同じように行われる授業のことです。
選考過程では最後の段階ですることが多いです。

本物の授業ではないので、生徒はいませんが、代わりに生徒役として(採用試験ならば)採用者や(研修ならば)講師たちが席に座ります。

採用試験ならば5人前後、研修では、その場にいる講師全員なので教室いっぱいに人がいることもあります。

授業は我々、講師のメインの業務であるため

「この人は教壇に立ったとき、どんな授業をするのかな?」

ということを生徒役の彼らはチェックするわけです。
そして彼らに

「この人なら安心して授業を任せることができる!」

と思わせることができれば、評価が高くなります。
そう評価してもらうためには

生徒と一緒に作る授業か」ということを意識してほしいです。
生徒が参加できている授業」と言い換えてもいいでしょう。

奇をてらうようなことや、面白おかしくする必要はありません。
逆に採用試験では、そういうことは嫌われます。

基本を押さえることが一番の対策です。
仮に奇をてらうようなことをしても、基本ができていないと中身がない授業になるんですよね。

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<下準備>

仕事は準備が80%を占めると言われますが、授業でも当てはまります。
授業の構成は次の示す「導入→展開→まとめ」で作りましょう。

導入

今日の目的・目標を掲げる。

その時間に、生徒たちが何を学んだことは?
という質問に一言で答えることができるように授業を構成します。
板書でも最初に書くことで、「この時間はこれをするんだ」という共通認識を作ることができます。

「なぜ、その目的・目標を達成させるのか?」を説明する。

理由がないと、何のためにやるのかわかりませんし、やる気も起こらないものです。

単に「重要だから」で終わらせてはいけませんよ。
「どう重要なのか?」「達成することで、得られる利点はなにか」を考えて、生徒たちに伝えましょう。

展開

解説は発問をしながら

解説→演習→解説…の流れになりますが、一方的な解説ではなく、生徒に発問しながら解説を進めていきましょう

生徒と一緒に授業を作っていくことを忘れずに。

全員に問いかけをして、指名をする

「皆さんに質問します。○○は△△ですか?(しばらく間をおいて)では□□さん。」

といったように、
最初に全員に考えさせることで、生徒全員が授業に参加していることになります。

全員に考えてもらうために「しっかり聞いてね」と言っておくとよりよいです。

逆に指名してから問いかけをする方法もありますが、私は好みません。
一時期、使っていましたが、他の生徒が考えなくなることが多かったため、すぐにやめました。

重要なこと、注意してほしいことは注目させる

「今日一番大事な(or注意してほしい)ポイントを説明するので、手を止めて、よく聞いてください。」

といい、生徒が、作業を止めて、こちらを見たら、説明していきます
全員が常に集中しているわけではありませんからね。こういった一工夫があるかないかで集中力が変わってきます。

演習中は机間巡視&生徒に声かけ

「では今からXX分で、この問題を考えましょう。はじめてください。」

の合図で、演習に入ります。

生徒が問題を解いたり、考えたりしている間は、教壇に突っ立ったままではなく、生徒がちゃんと問題に取り組んでいるかを確認します。そして、それに反応します

「お、全部解けた?早いね!」
「そう考えたんだ。いい答だね!」

模擬授業では、演習の時間は生徒役は何もしないし、短めに切り上げることが多いので、適度に机間巡視し、一人で反応してください

(恥ずかしがらないように…)

まとめ

①導入で掲げた目的・目標を振り返り、または疑問に対する答を確認をします

次回の授業では、何をするのかも紹介して締めくくります

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各パートの時間設定をする

  • 導入、展開、まとめでそれぞれ何分使うか
  • 展開はさらに、それぞれパートに分けて、何分使うのか

を決めます。
目安としては導入とまとめは3~5分くらい、それ以外が展開になることが多いです。

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各パートのセリフを考える

慣れないうちは、途中で何を言うべきか、わからなくなってしまうこともあります。
劇や映画の台本のように、
自分が何をいうか、生徒役はどんな答を考えるかを書き出していくとよいでしょう。
採用試験などでも、メモ書き程度でも構いません。
最低限、気を付けるべき部分などを忘れずに書いておくと安心できます。

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板書ノートを作る

生徒たちが見やすい板書を作るために、

  • 一行に文字を詰めすぎていないか?
  • 色分けを適切にしているか?
  • 囲みなどの装飾を適切にしているか?

を意識しましょう。
黒板を一面だけでなく、二面、三面と使い分けをすることも必要です。

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準備にかける時間は授業時間の3倍

以上、授業の準備だけでもやることが多いと思ってもらえたでしょうが、最初から取り組んだら、授業時間の3倍はかかります
授業というものは、それだけ大変なものなのです。
しかし工夫次第でおもしろいものにすることができます。

採用試験で直前にテーマ、題材を指定された場合は、短い時間で構成を考えなければなりませんが上記のポイントを意識すれば、限られた時間でも、最低限押さえないといけないポイントが見えてくると思います。

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<実際の模擬授業で意識すること>

ここからは、実際に授業をする際に意識してほしいことを紹介します。
これが自然とできたら素晴らしい!

笑顔で楽しくやること

あまりに緊張が伝わると、授業を受けている側も「この先生、大丈夫かな…」と心配になります。
緊張するのは仕方ありませんが、楽しくやろうという意識を忘れずに

生徒の目を見て話す

教科書やプリントに目を向けてばかりではなく、生徒一人一人の目を見て話すようにしましょう。

「ちゃんと君たちに向かって説明をしているよ」という意思表示にもなります。
視線のある・ないの違いは大きいですよ。

「目を見るのがこわい」
と思う方がいるかもしれませんね。

私もそうでした。
克服ポイントは「目ではなく鼻のあたりをみる」です。
そうすれば、相手からは目を見ているように見えます。
教えてもらってからは、私は目を見て話すことが怖くなくなりました。

話すスピードは気持ちゆっくりで

早口だったり、滑舌がよくないと、聞き取りにくくなります。
緊張していたら、より加速されます…

ハキハキと、そして少しゆっくりと話すとちょうどよいでしょう。
(ゆっくりすぎると、生徒が眠くなるので注意。)

声の大きさを使い分ける

隣の教室まで聞こえるくらいの声量は必ずしもなくていいですが、
最低限、教室全体に聞こえる声量は必要です。
その音量を「中」とするなら、重要、注意するべきポイントの説明時は「大」にするなどの強弱があるとメリハリがつきます

また板書しながら話すときは、壁に向かって話しているような状態になり、声量を「大」にしないと聞こえないので、注意しましょう。

板書の文字の大きさ、誤字脱字に注意

板書の字は大きすぎるからダメということはあまりありませんが、小さすぎるのはいけません。一番後ろの席でも見えるくらいの大きさで。

「一番後ろの人、見える?」

と聞くのも一つの手です。
また誤字や書き順違いが多いと小学生←中学生←高校生の順に指摘される頻度が高くなります。
生徒から軽く指摘されるぐらいならまだしも、多すぎると、保護者からのクレームにもなります。
誤字や書き順違いには気を付けましょう。(できれば字のきれいさも)

板書の時に、沈黙、間を作りすぎない。

黙って板書し、書き終えてから説明を始めると、生徒からすれば待つ時間が増えて授業のテンポが悪くなります。
生徒もひたすら、黒板に書かれたことを写すだけの作業になってしまいます。

これから書くことを口でも言ったり

「先生と同じくらいの速さで書いてね!」

などの声かけをしながら板書をしていきましょう

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あとは練習あるのみ

押さえるべき点がわかったら、あとは実践していくのみです。
インプットとアウトプットは別物です。
練習をしてみて、自分の弱いところ、気を付けるべきところを直していくことで、授業が改善されます。
友人に見てもらったり、自分で録画するなどして、時間の許す限り、練習しましょう

最初は恥ずかしいかもしれません。
自分の声が聞こえるだけでいやなものです。

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まとめ

模擬授業で押さえるべきポイントを紹介してきました。
基本的なことが多いですが、重要ですよ。
全部を完璧にできている先生は意外と少ないです。

私も模擬授業で苦しみましたし、日々の授業でも、次につなげるべく、反省することを怠っていません。
どうか模擬授業で苦しむ皆さんの糧になれたらと思います。

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