塾講師に向いている人とは、塾講師をする上で支障をきたさない特徴をもっていることを指すと考えます。
でも、どんな人が向いているのかをきちんと教えられることは少ないです。
「子ども好き」はよく言われることですけど、これではざっくりしすぎていると感じませんか?笑
私も一時期、悩むことがありましたが、長いこと塾講師をしていると、いやでも、どういう方が塾講師に向いていて、どういう方が塾講師に向いていないのかが、具体的にわかってきました。
これから塾講師をするか考えている人も、現在講師をしている人も参考にしてほしいです。
塾講師に向いている人の特徴
まずは塾講師に向いている人の特徴は何かを紹介します。
自分で考えて行動ができる
塾講師の仕事は生徒の目標(成績向上・受験合格)のためのサポートをすることです。
そのためには、他人のために、どれだけ考えて行動できるかが最も重要です。
- 質の高い授業をするための予習をする
- 生徒のモチベーションを上げる話をする
- 生徒の志望校について入試情報を調べる
これらはすべて生徒のために考えて行動しています。
自分から進んで考えないと、ただ授業をこなすだけになってしまうので、避けるべきです。
このように、他人のために頑張ることが求められます。
人に興味をもつことができる
他人のために「自分で考えて行動する」ためには、他人に興味をもつことができるかどうかにかかっています。
この2つの要素は塾講師をする上で不可欠な存在だと考えています。
生徒たちに合ったサポートをするために
- 生徒は何が得意で不得意なのか
- 生徒はどんな性格なのか
- なぜその志望校に行きたいのか
など知る必要がありますが、それには他人に興味をもつことが重要です。
私も大学生の頃に「他人に興味をもつこと」が重要と教えられましたが、「どうやったら他人に興味を持つことができるの?」と疑問に思い、先輩講師に聞きました。
すると「自分の視野を広げて積極的にコミュニケーションをとるんだよ」と答えてくれました。
単に会話を増やせと言われるだけでなく、自分の中の心構えも教えてくれたのがよかったと私は思っています。
視野を広げるというのは自分の中の偏見や好き嫌いをなくすということだと解釈しています。
これを実践してみてから私の中に変化が起きました。
普段、自分とは関わらない話題でも「なるほど、そういう話・考えもあるのか」と聞くことができました。
皆さんも試してみてください。
観察力・分析力がある
生徒も人間ですから、一人一人性格や得意不得意が異なります。
「人に興味をもつことができる」であげたような
- 何が好きで、何が嫌いか
- どんな部活に入っているのか
- 趣味は何なのか
などは聞き出せばわかる情報だけですが、
- どんな性格か
- どういう問題でつまずくのか
- 少々厳しく言っても大丈夫なのか
などは本人の行動から読み取る必要があります。聞き出せないことが多いです。
授業をしているとき、普段話しているとき、常に観察力が必要です。
上記に加えて、生徒の成績、入試問題の傾向などでも、何が弱点か、何が頻出事項なのかなど、分析する力も求められます。
根気強い
生徒の指導は一筋縄ではいきません。
うまくいくこともあれば、うまくいかないことも多いです。
(だからこそ面白いと私は思いますが…)
- 生徒が言うことを聞かない
- 最近、やる気がない
- 成績が伸び悩んでいる
そんなときでも、投げ出さずに、しっかりと生徒と向き合う精神力が求められます。
忍耐力のある、我慢強い、根気強い人ほど、強いです。
明るい・元気
私の周りにいる講師たちで暗い人はほとんどいないです。
暗くて、元気がない先生からは教わりたいとは思ってもらえないですからね。
塾講師は接客業に近いものがあります。
百貨店やホテルのフロントマンのように完璧な接客をしろというわけではありませんが、初対面で話す生徒に、いい印象を持ってもらうためには、明るく、元気に接することが重要です。
努力できる
己を磨き続ける姿勢は常に必要です。
教科の勉強だけではありません。
- 授業で心をつかむために、話し方の研究をする
- 入試情報の収集を欠かさない
そういった努力を続けることが必要です。
努力をし続けることで、自分も相手も有益です。
生徒も講師も成長し続けることが必要だと考えます。
塾講師に向いていない人
逆に塾講師に向いていない人の特徴は何かを紹介します。
時給以上の仕事をしない
「決められた業務以外はしたくない」と思っている方は塾講師には向いていないと断言します。
ただ授業をこなすだけでは、生徒の成績は上がりません。
生徒の成績を上げるために、考えて行動することが求められます。
そうなるとどうしても勤務時間外でも準備する必要があります。
このように塾講師の仕事は負担は大きいため、「楽して稼ぎたい」「必要以上のことはしない」と考えている方は別の仕事を探すべきです。
経験上、このタイプの講師はアルバイトでは一定数いますが、短期間で自ら辞めていくことがほとんどです。
(きっと彼ら・彼女らも何かが違うと思うんでしょう。)
他人に興味がない
他人のために何かをしようという思いがないと厳しいです。
「成績を上げるため、受験に合格するために、何かサポートしてあげたい!」
という思いは必須です。
また生徒の
・名前、性格、部活、得意不得意、志望校、興味があるもの
などを知っていくと思いますが、人に興味がない場合、覚えることが難しいと思います。
覚えていないからといって毎回聞いているようでは
「前にも言ったけど、覚えてくれていないのかな」
と思い、信用をなくしてしまいます。
生徒はそういうところを見抜くは上手ですよ。
逆に人に興味があるからこそ、生徒の情報を覚えるのが早いし、そう簡単に忘れないです。
我慢できない、イライラしやすい
- 生徒が問題を解くのが遅い
- 成績が思うように伸びない
- 問題を間違える
といった場面で、我慢強くなかったり、イライラしやすい人だと、態度に出たり、感情的に怒ったりしてしまう恐れがあります。
時には叱ることも必要ですが、必要以上に怒ったり、すぐにイライラしてしまうと、生徒が萎縮してしまいます。
心を閉ざしてしまうと、信頼関係が築けず、生徒の成績にも影響が出てしまいます。
私は怒ることは公私ともに少ないです(叱るは別ですよ?)ので、すぐに怒る人の気持ちはあまりわからないですが、今までの職場で何人も出くわしています。
皆そろって怒ることを指導だといいますが、怒る≠叱るですし、指導でもありません。
ただ当たり散らしているだけです。
仮に別の講師がその先生のことをフォローしても、生徒からすれば、怒る怖い先生というイメージがついているため、心を開くのは難しいでしょうね。
忍耐強く、成長を見守ることも忘れないでください。
コミュニケーション能力があまりにも低い
コミュニケーション能力というと、漠然としてしまいますが、最低限、会話を続ける力は必要です。授業では一人でずっと話し続けたり、巧みに話す必要はありません。
しかし、授業は講師が主導で生徒との対話を展開させていくものですし、
生徒との対話を通じて信頼関係を築いていきます。
最低限、自然なやりとりができる必要があります。
そのためには言葉のキャッチボールをする意識をもってほしいです。
時間がかかりますが、克服できないわけではありません。
私も長い時間をかけて克服しました!
ときには生徒が興味あることで話題を考える必要もあるでしょう。
そういった一つ一つの積み重ねで信頼関係を築くことができます。
教えるのが下手
教えるときの説明が下手だと、生徒が理解できません。
「あの先生、わかりにくい」
と思われてしまいます。
それが続くと生徒との信頼関係がなくなってしまいます。
教える仕事をしている人間にとって「わかりにくい」と言われるのは一番辛いです。
私も過去に言われたことがありますが、とても悔しい!
しかし、これは経験不足によるものであり、正しい方法で練習を積めば改善されます。
自分でも、具体的にどこを直すべきかわからないことも多いでしょう。
別の先生に自分の授業を見てもらい、フィードバックしてもらうなど
早い段階で、教えるスキルを上げましょう。
このように、塾講師に向いていない要素というのは生徒と良い信頼関係を築けず、結果として生徒の目標達成を果たせないことにつながるのです。
まとめ
いかがでしょうか。
向いている人の特徴と向いていない人の特徴を紹介しました。
その人の本質にかかわる部分でもあり、簡単に改善できない部分が多いです。
当てはまったら、改善できそうか考えてみてください。
改善できないなら、できない分、他のことでカバーできないかも考えてみてください。
もし、できない場合は…別の仕事を考えた方がいいかもしれません。
講師である皆さんのためにも、生徒のためにも、この記事が参考になればと思います。