塾講師のアルバイトを考えている方で
「塾講師をしながら他のアルバイトをしていいのかな?」
と疑問を持っていたり
現在、塾講師をしている方で
「時給はいいけど、自分はあまり稼げてないな…」
と悩んでいる方がいるかもしれません。
どちらも「もっと稼ぎたい!でも塾講師だけで稼げるのか不安」
と思っているかもしれません。
私も塾講師の一人であり、そう思っているアルバイトの皆さんの声をよく聞きます。
そんな方のために今回は塾講師のアルバイトと他のアルバイトを掛け持ちしてもいいのか?という疑問についてお答えしていきます。
結論を簡単にいうと他の塾や家庭教師以外なら可のところが多いよということです。
なぜ塾講師は稼げないのか?
他のアルバイトと比べて塾講師のアルバイトの時給は高めに設定されています。
- 個別指導で1,200~1,500円
- 集団指導で2,000円~3,000円
ほどです。
でも一度に大きく稼ぐのは難しいことが多いです。
どういうことか説明します。
個別指導で時給1,200円で90分の授業をしたとします。
1コマ(1つの授業)で1,200円×1.5=1,800円です。
塾では通常1日にできる授業は3コマ程度です。
塾の授業が始まるのが夕方17時くらいからですし。
アルバイト(非常勤)で8時間フルで授業をするということがなく(夏期講習などは例外です)
最大で3コマ担当して1,800円×3=5,400円です。
ちなみに私の場合は大学の講義の関係で1日2コマしか担当できなかったので、1,800円×2=3,600円ですね…
一方で、時給1,100円で別のアルバイトがあるとします。
仮に百貨店の接客アルバイトとでもしましょう。
1日8時間働いたとすると、1,100円×8=8,800円です。
塾講師よりも百貨店のアルバイトの方が1日に稼げる金額が高いですね。
このように、塾講師は1日に稼げる金額がそこまで高くないため、「稼げない」と言われることが多いです。
だから冒頭で挙げたような「別のアルバイトでもしようかな」と思ってしまうのでしょうね。
異業種のアルバイトの掛け持ちなら可
では本題のアルバイトの掛け持ちについてですが、結論としては同業他社ではなく、異業種のアルバイトなら可の塾は多いです。
実際に私が
- 昼間はカフェでアルバイトし、夕方から塾講師のアルバイト
- 夕方は塾講師のアルバイトをし、夜中から居酒屋のアルバイト
というような掛け持ちをしている学生さんがいました。
ちなみに、私は学生時代に
- 百貨店の接客
- 大学のPCアドバイザー
のアルバイトを掛け持ちしていました。
接客のアルバイトは多いと思いますが、この接客スキルは塾講師の仕事でも生かせることが多く、個人的にはおすすめです。
なぜ同業他社のアルバイトの掛け持ちが禁止なのか?
塾は基本的に同業他社、つまり他の塾のアルバイトの掛け持ちを禁止しています。
(一部の有名塾や予備校は例外のようですが)
その理由は自社のブランド力の低下を懸念しているためです。
塾も商売ですから、自社のブランド(=強みや価値)を高めたいのです。
他塾にはないサービスを売りにすることで、差別化を図り、優位に立ちたいのです。
塾講師が他塾と掛け持ちをすることで生まれる懸念は次の2つです。
ノウハウの流出
それぞれの塾には長年にわたり培ってきた教育ノウハウがあります。
- 塾のオリジナルテキスト
- 独自の指導方法
- 入試情報等の分析データ…etc
いずれも重要な塾の強みといえるものであり、質の高いサービスを提供できる材料です。
それをもっている自分のところの講師が他塾で教えるとなると、上記のノウハウが他塾に行き渡ってしまいます。
自分たちが苦労して得たものを、簡単に人にあげないですよね?それと同じです。
私がいる塾でも、よその塾が上記の問題を起こし、訴訟問題になったから、絶対にしないようにと通知がきました。
なにやら大手予備校のテキストやプリントを配布して授業していたらしく…
(そりゃだめでしょ…)
こういった事態になることもあり得るのです。
生徒や保護者の信用をなくす
生徒や保護者が自分の担当講師が他塾で教えていると聞くとどう思うでしょうか?
生徒「他塾で評判いいらしいけど、自分のところでも、もっと教えてほしいな…」
保護者「自分の子どもには片手間で仕事しているのか?」
と思われるかもしれません。
講師本人が
「とんでもない、私はどちらの塾でも本気で指導している!」
と言っても、理解を得るのは難しいでしょう。
生徒や保護者からは、いい印象を与えません。
(どうしても手を抜いているとか思われてしまいます。)
それを塾側が知ってしまったら、どうなることか想像は大方つくでしょう…
生徒と遭遇して掛け持ちがばれてしまうこともあります。
塾のアルバイトを探す人って大体、自分の家の近場で探す人が多いと思うのです。
夜はどうしても遅くなりますし。
近場同士の塾で掛け持ちしようなら、すぐにそれぞれの塾の生徒に見つかるのは想像できるのではないでしょうか。
他にも「じゃあ同じ市じゃなければ…いや、他府県なら…」と思っている方!
私は大学が京都で、大阪の塾でアルバイトをしていました。
大阪と京都ならまぁ合わないだろうと思うでしょう?
遭遇してしまったんですよ。京都で!
私は塾の掛け持ちはしていないですが、生徒とは本当にどこで会うかわからないなと強く思いました。
まあそこまでして塾の掛け持ちをする必要もないでしょう。
他塾との掛け持ちは
- 塾
- 生徒や保護者
- 講師本人
三方にとって、いいことがありませんので、やめておきましょう。
家庭教師との掛け持ちはいいのか?
塾から見れば家庭教師も同業他社になるので、前述の「なぜ同業他社のアルバイトの掛け持ちが禁止なのか?」と同じ理由で禁止しています。
(家庭教師センター側が掛け持ち可でも塾側が禁止している)
塾によっては黙認しているところもあるかもしれませんが、
悪いことは言いません。やめておいた方がいいです。
塾講師で稼ぎたいならば
塾講師で稼ぐならば
- シフトに多く入り、担当授業を増やす
- 経験を積み、実績を出して時給を上げる
しかありません。
この先生なら
「生徒の成績を上げることができる」
「受験指導で有名校へ合格させることができる」
と塾側に認められると時給を上げてくれることが多いです。
私も学生時代に高校3年生の大学受験の指導を数人担当して、見事志望校に合格できたことを認められ、時給が100円上がりました。(たしか1,300円になりました。)
たった100円ですが嬉しかったですね。
ちなみに、体験授業を任せてもらえることも認められているかどうかの指標になりますね。
体験授業は塾にとっても、生徒が入るかどうかの重要な位置づけです。
そのため、誰にでも任せられるわけではありません。
「この先生の授業でなら入塾してもらえる!」
とある程度、確信をもって任せるはずです。
体験授業を任せてもらえるということは、自分の授業の腕が上がったという一つの基準になります。
私は大学4回生の時から体験授業を任されました。
3年生のときに高校生の大学受験を担当していたからかもしれません。
社員になってからは頻繁に個別・集団問わず体験授業を任されました。
自慢ではないですが、私の授業で体験授業を受けた生徒は全員入塾させています。
将来、教員などの教育関係の仕事に携わろうと考えているのなら
給料のためというよりも、まずは、自分が今いる塾で腕を磨くことに集中させましょう。
まとめ
以上、塾講師のアルバイトの掛け持ちについて説明しました。
- 基本的に同業他社は禁止
- 異業種のアルバイトならいいところが多い
- 時給を上げたければ塾講師の経験を積んで実績を出すこと
リスクを冒してまで、他塾に行かなくても稼げる手段はあるのです。
なお、異業種のアルバイトをしているときに、塾の生徒の情報などは他言無用でお願いします。